時効・遅延利息(遅延損害金)
賃金・残業代の請求と消滅時効
賃金・残業代が支払われなかった場合に、請求せずほったらかしにしておくと、時効により権利が消滅してしまいます。
労働基準法では、賃金の請求権は二年間、退職金の請求権は五年間で、時効により消滅することを定めていますから、ご注意ください。
したがって、使用者には未払い(不払い)賃金・残業代の支払い義務が二年分あるということになりますし、労働者が請求できるのも実務上二年分ということになります。
なお、2020年4月からは、労働基準法の一部を改正する法律により当分の間、賃金の消滅時効は三年となる予定です。
遅延利息(遅延損害金)
会社の賃金・残業代の支払いが遅れた場合には、賃金・残業代だけでなく、遅れたことの賠償を請求することができます。
これを、遅延利息とか遅延損害金とかいいます。
遅延利息(遅延損害金)に適用される利率は、商法の年6%が一般的となっていました。
ただし、商法の年6%は、会社に在籍している(在職者)に適用され、すでに退職した者には、賃金の支払いの確保等に関する法律により、年14.6%の利率が適用されることになっています。
なお、2020年4月からは、民法改正により商法の定める商事法定利率が廃止され、年3%となる予定です。