付加金の請求
付加金とは
労働基準法には一定の未払い金が生じた場合に、労働者の請求により未払い金と同一額の支払いを裁判所が命じることができる旨の定めがあります。
同一額のことを付加金といい、付加金の支払いが命じられた場合には、使用者は本来の未払い金の二倍の金額を支払わなければならないことになります。
一定の未払い金が生じた場合とは、解雇の予告手当、休業手当、割増賃金、そして年次有給休暇の賃金です。
付加金は義務を守らなかった使用者に対する制裁ですが、罰金と異なり労働者に支払われるという点が、珍しい制度といえるでしょう。
付加金の請求手続き
ここで注意したいのは、付加金は裁判所の命令のみで可能だということです。
労働者が裁判所の手続きにより請求した場合にのみ、付加金の支払いの可能性が生じるのであり、使用者へ直接請求することはできないことを、理解してください。
ですので、割増賃金の支払いについて裁判所での救済を求める場合には、付加金の支払いも請求しましょう。
なお、付加金の請求は違反のあった時から二年以内にしなければならないことが、労働基準法に定められています。